お役立ちコラム

BtoB企業は安易にツイッター運用に手を出すべきではない!4つの理由を解説

「BtoB企業でもツイッターをマーケティング施策として活用できるのではないか?」そんなことを考えたことはありませんか?近年、ツイッターやインスタグラムなどを活用する企業が増えており、ご自身のタイムライン上で目にする機会も増えたかと思います。

しかし、BtoB企業の場合、マーケティング目的で安易にツイッターに取り組むことはおすすめしません。そもそもツイッターは、情報を広く発信するための広報のためのツールです。広報の成果がマーケティングの成果に結びつきにくいBtoBビジネスとは相性が良くありません。

今回は、おすすめしない4つの理由を解説した上で、広報としてツイッターを活用できる場面について紹介します。自社で取り組むべきかを判断した上で、BtoBマーケティングにおいて、どのようにツイッターを使えば効果的なのかを理解しましょう。

1.BtoB企業がツイッターに安易に取り組むべきでない理由

近年、ツイッター運用に取り組むBtoB企業が増加傾向にあります。しかし、広報施策が重要視されないBtoB企業が安易に手を出すべきではないと弊社は考えています。ツイッターは広報のためのツールであり、マーケティング施策との相性があまり良くなく、BtoB企業が実施しても大きな成果が期待できない上に、難易度が高いからです。ここでは、安易に取り組むべきでない理由を4つの観点から詳しく解説します。

  1. 購買に直結しない
  2. 情報発信してもターゲットに届きにくい
  3. 運用体制が整いづらい
  4. フォロワーを集めることが難しい

【1】購買に直結しない

ツイッターは情報を共有・拡散するツールであり、BtoBでは購買に直接結びつけることが難しいため、BtoB企業がすぐに取り組む必要はありません。

BtoCビジネスの場合、1つのツイートから直接購買に結びつくケースが多くあります。例えば、新発売の清涼飲料水の投稿を見て飲んでみよう、期間限定メニューの投稿を見て食べに行こうと思った経験があるのではないでしょうか。商品単価が安く、意思決定者が自分自身であることの多いBtoCでは、広報施策がマーケティング施策として機能するケースが多く見られます。

しかし、BtoBビジネスは単価が高く、意思決定に複数の人が関与し、合理性が求められるため、断片的なツイートから購買に結びつくことはありません。広報を目的として情報発信するには有効なツールですが、購買に直結させることは困難です。

【2】情報発信してもターゲットに届きにくい

BtoCビジネスよりもターゲットが狭いBtoBビジネスにおいて、ツイッターを通して不特定多数に情報発信しても非効率的です。確かにツイッターは無料で運用できるメリットはあるものの、自社の商材に関係のある人を狙って情報発信することは困難です。また、総務省の調査*1によれば、ツイッターの利用率は40代で38.0%、50代で29.6%となっています。BtoB企業の意思決定者である年齢層の利用率が低いことも難しい理由の1つです。

ツイッターにコストをかけても非効率的であるため、BtoB企業の場合、多少コストがかかってもリスティング広告(検索連動型)に取り組むことがおすすめです。リスティング広告(検索連動型)であれば、ニーズが顕在化しているユーザーの検索するであろうキーワードに対して広告を出せるため、効率的に売上につなげられます。

*1総務省|令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

【3】運用体制が整いづらい

BtoBの場合、不特定多数の人々に呼びかけずとも特定の企業と取引できればビジネスが成立するため、広報施策を重視しない傾向にあります。「どのようなツイートをすれば注目を集められるか」「コンプライアンスは遵守できているか」「炎上したときはどのように対処するか」といったノウハウやナレッジがなく、一から運用体制を構築する必要があり、大きな手間になるでしょう。

また、ツイッターを運用するにあたって担当者には、コンプライアンスを守りつつ魅力的な情報を発信するセンスも求められます。バズりを狙った結果コンプライアンスに違反したツイートになれば、炎上して悪いイメージがつくリスクがあります。営業中心の組織が多いBtoB企業では、こういったセンスを持つ人材が集まりにくい傾向にあり、運用体制の構築が困難であるため、導入はおすすめしません。

【4】フォロワーを集めることが難しい

ツイートを見たり、拡散したりするフォロワーが一定数いなければ、ツイッターに取り組んでも大きな効果は期待できません。BtoC企業であれば、「フォロー&RT(リツイート)でプレゼント」「#(ハッシュタグ)をつけて投稿してキャンペーンに応募」などの施策でフォロワーを集めやすいでしょう。しかし、BtoB企業がマーケティング施策のツールとして活用する場合、製品情報や機能の説明などのツイートがメインになります。それらのツイートだけで一定数のフォロワーの獲得を達成するのは、かなり難易度が高いでしょう。

また、ツイッターを利用しているユーザーの大半はビジネス目的ではありません。アライドアーキテクツ株式会社の調査(回答数1,095、複数回答可)*2によれば、ツイッターを利用する目的の第1位は「暇つぶし・余暇として」68.9%、第2位は「趣味・好きなことに関する情報収集」63.0%でした。大多数のユーザーがビジネスを目的として使っていない中で、BtoB企業がフォロワーを獲得することはかなりハードルが高くなっています。

*2アライドアーキテクツ株式会社|Twitterユーザーによる企業公式アカウント利用実態調査(2020年12月16日~12月27日)

2.BtoB企業でツイッターに成功している事例は広報目的が大多数

BtoB企業がツイッター運用に取り組もうとする背景には「他のBtoB企業が成功しているならうちでもできるのかもしれない」という考えがあるのだと思います。しかし、BtoB企業で成功している例のほとんどが、広報を目的としたものです。

例えば、アイティオール株式会社は、自社サービスの「ナイセンクラウド®」の公式ツイッターを運用しており、BtoB企業ながら14.1万人(※2022年7月26日現在)のフォロワーを獲得しています。しかし、ナイセンクラウド®と関係するツイートよりも、以下のようなネタツイートの数が多く、認知拡大やファン化を促すための活動であると分かります。

そもそも、マーケティングとは顧客が購買に至るパターンを見つけて、そのパターンに沿って効率的に商品やサービスを売る仕組みを作ることです。ツイッターは匿名性の高いSNSであり、リード情報とフォロワーを結び付けられるとは限りません。購買に至るまでにどんなツイートをいいね・RTしたかを判断できない可能性が高く、パターンを見つけ出すことが困難です。BtoB企業の場合、ツイッターが使えるケースは認知獲得やブランディングを目的とした広報施策に限定されると留意してください。

3.BtoB企業が広報目的でツイッターを活用できるシーン

ツイッターはマーケティング施策との相性は良くないものの、広報のツールとしてはBtoB企業であっても活用できます。ここではBtoB企業が広報目的でツイッターを活用できるシーンを事例を交えて解説します。

  1. オウンドメディアコンテンツ発信のために活用する
  2. 特定社員のブランディングのために活用する
  3. 採用広報ツールとして活用する

【1】オウンドメディアコンテンツ発信のために活用する

コンテンツマーケティングに取り組んでいる企業の場合、コンテンツの更新情報やおすすめコンテンツ、セミナー・ウェビナーの宣伝などの情報発信のためにツイッターを活用できます。

BtoB企業が情報を発信する上でオウンドメディアが有効ですが、プッシュ通知ができないという弱点があります。新しい記事を公開しても、ユーザーに対して能動的に働きかけることができず、検索や広告などからの流入を待つしかありません。また、メールマガジンを送って通知する手段もありますが、あらかじめ登録してもらっているユーザーにしか届けられず、新たなユーザーを獲得しづらくなっています。

ツイッターであれば、既存のフォロワーに最新情報を発信できる上に、RTによって新たな層が自社のコンテンツに接触する可能性が増えます。もちろん、フォロワーが一定数いなければ効果は薄いものの、コンテンツのURLを付けたツイートが業界関係者によってRT・引用RTされれば、今まで接触できなかった層を集客できる可能性もあるでしょう。

例えば、株式会社LIGでは、ツイッターを通してオウンドメディアの更新情報や取材先のツイートのRTなどを通して、コンテンツの発信を行っています。2万人(※2022年7月26日現在)ものフォロワーがいるため、記事を更新した情報を発信するだけでも一定数の目に触れることになる上に、フォロワーによってRT・引用RTされれば、さらなる認知拡大につながります。

【2】特定社員のブランディングのために活用する

サービスの特性によっては、特定の社員に焦点を当ててブランディングすることで、マーケティング効果を発揮するケースがあります。

代表的な例としてコンサルティング企業が挙げられます。コンサルティング企業の場合、個々のコンサルタントがどんな知見を持っているか、どの業界に詳しいか、仕事のパートナーとして信頼できるかといったポイントが受注に大きく影響します。ツイッターを通じて日々情報発信することで、「この人がいるなら頼んでみよう」とつながる可能性があるのです。

例えば、株式会社才流 代表取締役社長 栗原康太氏は、BtoB営業・マーケティングについて定期的に情報発信し、2.7万人(※2022年7月26日現在)ものフォロワーを獲得しています。「BtoB営業・マーケティングと言えば、才流の栗原さんだよね」という地位を確立しています。

また、株式会社ベーシックのように、大勢の社員が個人アカウントを運用しているケースもあります。つぶやく内容は自由であるものの、青い壁を背景にした写真にプロフィールを統一しており、「この背景ということはベーシックの社員さんなのか」というブランディングにつなげています。

【3】採用広報ツールとして活用する

採用広報のツールとして活用することもおすすめです。BtoB企業は、BtoC企業と比べて求職者からの認知度が高くありません。ツイッターの魅力は、RTによる爆発的な拡散力です。職場の作業風景や工場内の機械が動く動画などの投稿から認知度や好感度を高めることで、母集団形成や応募数の増加につながります。

4.まとめ

BtoB企業がマーケティング施策としてツイッター運用に取り組むべきではないことを解説してきました。

購買までに時間のかかるBtoBビジネスにおいて、ツイッターだけで購買に結びつけることは困難です。広報や集客など、マーケティング施策の一環として取り組むのであれば一定の効果は期待できるでしょう。ただし、運用には人的リソースが必要となるため、無理に取り組もうとせず、余裕があれば取り組んでみることをおすすめします。

また、BtoB企業がツイッター以外で活用できる手法について「BtoB領域の担当者が押さえておくべきマーケティング手法23選」でまとめていますので、ぜひご覧ください。

杉本夏希

杉本夏希 ライター

2020年に入社。自動車関連や採用関連など、BtoC、BtoBかかわらず幅広い記事を執筆。現在はBtoBマーケター向けの専門メディア「BeMARKE」でも編集・ライターを務める。 単なるSEO記事ではなく、読み手にとって役に立つ記事を作ることをモットーとしている。

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