「いい加減にうちもWebやマーケティングの領域を強化しないといけないし、どこかにサポートをお願いしたい。でもどこに頼めばよいのかわからない……」
多くのマーケティング担当者がこのような悩みを持っているのではないでしょうか。特にこれから本格的にWebマーケティングをはじめようという企業にとって、最初のパートナーとしてどのコンサル会社・支援会社を選ぶかはその後の成果を左右する非常に重要な判断になります。
しかし実際にはこの選択に失敗し、時間と予算を無駄遣いしてしまうケースもまた多いのです。
「最初は付き合いのあったWebの会社に頼んでみたが、全然成果が出なかった。もっとしっかりとしたノウハウを持っているところに改めてお願いしたくて探している」というご相談は、弊社アジタスにも多く寄せられています。
支援会社を選び直してリトライするならまだ良く、会社によっては「やはりうちの会社にWebマーケティングは合わない」と早まった判断をしてWebマーケティングの強化そのものを止めてしまう、という場合すらあります。
では、一体どのような支援会社をパートナーとして選ぶべきなのでしょうか?
「Webマーケティング支援」や「Webマーケティングコンサル」の看板を出している会社は数多く存在しますが、実は支援の範囲やスタンスによって大きく3つのタイプに分けられます。
そして「これから本格的にWebマーケティングを始めたい」と思っている担当者が選ぶべきなのは「包括支援型」と呼ばれるタイプの支援会社です。
- 純粋コンサル型:戦略の企画をメインで行う
- 制作メイン型:施策の実施をメインで行う
- 包括支援型:戦略企画から施策の実施まで行う
この記事では支援会社のタイプごとの特徴の違いとどのような状況でマッチするかの適正、そして3タイプの中でもなぜはじめてのWebマーケティング支援のパートナーとして「包括支援型」を選ぶべきなのかを解説します。また代表的な「包括支援型」のBtoBマーケティング支援会社について特にどのような支援を得意としているかを紹介します。
せっかくの新たな成長の機会を自分から捨てるのは非常にもったいないです。「トータル・マーケティングの力でBtoB企業に新たな成長を」をミッションとして掲げているアジタスとしても、一社でも多くの企業にマーケティングの力を活用してもらいたいと考えています。
ぜひ自社にあった支援会社を見つけ出し、新たな成長につなげるきっかけとしてみてください。
目次
1. BtoBマーケティング支援会社の3つのタイプ
マーケティング支援を行う会社はメインとなるサービス提供の領域の違いによって「純粋コンサル型」「制作メイン型」「包括支援型」の大きく3つのタイプに分けられます。
それぞれに強みがありマッチしたときには大きな成果に繋げられますが、逆にニーズと特長が噛み合わずにミスマッチになってしまうとお金と労力ばかりがかかって成果は乏し、となってしまいます。
まずはタイプごとの特長を正しく理解し、いまの自分たちに必要なのはどのタイプなのかを適切に選べるようにしましょう。

▼マーケティングの流れと支援会社のタイプ別の支援範囲
1-1.「純粋コンサル型」は大規模・複雑なビジネスの全体像を描くのに適している
「純粋コンサル型」とは、マーケティング支援会社の中でも専門家としてクライアント企業からの相談に応えることをサービスとしているタイプのことを指します。所属する社員のほとんどが「コンサルタント」を名乗り、その専門知識やプロジェクトを進めることへのノウハウによって価値提供を行っています。
純粋コンサル型の利用に適しているのは次のようなケースです。
- 事業規模が大きく、複雑な戦略の検討や社内体制の整備が必要となっている(=戦略検討の比重が大きい)
- 営業マーケ系の人員や予算に余裕があるなど、各種施策の実践に必要なリソースを社内で確保(あるいは新規に採用)できる目処がある
純粋コンサル型の支援会社に属するコンサルタントは「ビジネス」や「業務改善」に対する造詣が深く、全体戦略の検討や施策コンセプトの立案、マーケティング業務で使用するツールの選定や導入など、プロセスの「上流」での支援を得意とします。
一方でサイトの更新・コンテンツの制作・広告の運用代行など、いわゆる「下流」に位置する施策実務をコンサルタントが直接手掛けることはありません。クライアントの会社が自分たちでやるか、自分たちの管理で改めて別の業者に代行を依頼する必要があります。
そのため実行・実践の段階でつまづくと、「内容としては優れた戦略があっても、一向に実際の成果につながらない」「お金をかけているのに具体的に進んだことが何もない」といった事態に陥ってしまう可能性があります。
「施策実施を自分たちで進行管理する」というのは経験が少ない状態では負担も大きく失敗に繋がりやすいため、特に「これから本格的に始める」という会社では「コンサルのみ」の支援形態は避けたほうが良いでしょう。
純粋コンサル型の会社でも、施策実務を担当するパートナー会社を外部に持っているケースもあります。その場合は後述の「包括支援型」と実質的に同等の支援体制を期待できるため、検討に入ってくるでしょう。
1-2.戦略がある程度決まっているなら「制作メイン型」で実行能力を強化する
もともとコーポレートサイトの開発やリニューアルを行うWeb制作会社だったところが、対象をサービスサイトやメディアサイトに広げるにあたって「成果を上げられるサイトの作り方をアドバイスしますよ」「Webマーケティング全般の相談にも乗りますよ」とも言うようになったのが「制作メイン型」の支援会社です。社員の肩書は「Webディレクター」や「Webマーケター」であることが多く、技術力や制作力を用いてクライアントの課題解決を行っています。
制作メイン型が適しているのは次のようなケースです。
- 事業規模が比較的小さく、支援会社にもビジネスの全体像を理解してもらいやすい
- 戦略のコンセプトが定まっており、担当者自身が全体の舵取りを行える見通しがある
Webマーケティングにおいてもやはり、サイトの更新・コンテンツの制作・広告の運用代行などの「下流=施策実務」領域をメインとしています。各社それぞれのノウハウが蓄積された強みを持った施策分野では、専門性の高い支援を期待できます。
逆にこのタイプで手薄になりがちなのが、全体戦略の検討などの「上流」の支援です。
制作メイン型のいう「コンサルティング」は実際には「特定の施策の効果を最大化するためのヒアリングや、隣接領域でやるべきことのやんわりとした提案」であることが多く、「クライアントのビジネス環境に合わせた全体戦略の提示」とはなりません。
そのため「売上を最大化するためにWeb施策を営業戦略の中でどのように位置づけるか」「Webの成果をどのように実際の売上に結びつけるか」といったビジネス面の落とし込みは自分たちで考えていかなければならないのです。
「これから始める」の場合ではそもそも「どのようにWebを活用したら成果に繋げられるかわからない」というところからスタートしていることが多いはずなので、その部分の支援が手薄になりがちな「制作メイン」の支援形態もやはり避けたほうが良いといえます。
1-3.これからはじめるなら必要な支援をまとめて得られる「包括支援型」がベスト
「コンサルティング=戦略立案や体制整備」と「クリエイティブ=制作や施策の実務」をまとめて取り扱っているのが「包括支援型」の企業です。「一気通貫型」「ワンストップ型」と表現しているところもあります。
「これから本格的に始めたい」という場合には包括支援型がオススメです。特に次の条件に当てはまる場合はベストな選択肢と言えるでしょう。
- 社内にWebやマーケティングに詳しい人がおらず、右も左も分からない
- 社内でマーケティングの担当は自分だけであり、なにをやろうとしても人手が足りない
包括支援型の会社は元々は「制作メイン型」だったところが多く、クライアントに対する「真の成果(=一時的でない、継続的な成長の仕組みの構築)の提供」を追究した結果として、戦略立案や体制構築といったコンサルティング能力が高まって「包括支援型」へと発展していっています。
文字通り「上流から下流まで、包括的に全体を支援する」点に特徴があります。
最初の全体戦略の策定支援から、全社一丸となって取り組めるようにするための体制の整備、個々の施策をやりきるところまでカバーします。場合によっては自走可能とするためのノウハウ移譲なども支援範囲に含まれます。
具体的にはクライアントごとに社内で「支援チーム」を編成する方式が多いです。「コンサルタント」「全体ディレクター」が中心となって戦略の段階にあわせて必要なスキルとノウハウを備えたメンバーを入れ替えながら、中長期スパンで支援を行っていきます。
あえてデメリットを挙げるとすれば、「支援範囲が広い分、費用も相応に高額になりやすい」という点があります。
しかし次のような点も考慮すれば、費用の額面が多少高かったとしても十分検討に値するのではないでしょうか。
- 基本的に1社で完結するので、複数の支援会社を使い分ける場合の総額との比較ならむしろ安くなることもある
- 発注などの事務手続きが一元化され、負担が減る
- クライアント側の状況に応じて支援の程度も調整されるため、「最初は低予算でできる範囲から」という利用もできる
2. 「包括支援型」こそが最も早く成果を生み出せる3つの理由
第一章で述べたように、これから本格的にマーケティングに取り組もうとしている担当者がパートナーに選ぶべきなのは、ずばり「包括支援」タイプの支援会社です。なぜならBtoBマーケティングにおいて最も早く成果を生み出せるからです。
なぜ「成果を早く出せること」がそんなにも重要なのでしょうか。そこには大きく2つのポイントがあります。
第一に、特に近年のWebマーケティングは環境の変化が早いという事情があります。そのため「時間をかけて完璧に準備してから実行する」ことが難しく(というよりもすぐに前提が変わってしまうため有効でなく)、「早く実行して結果をフィードバックしながら徐々に精度を高めていく」方が最終的な成功の見込みが高くなります。
二つ目は社内的な話です。未知の取り組みだからこそ、最初は社内からの協力取り付けはどうしてもハードルが高くなりがちです。そこで「早い時期に目に見えてわかる成果を出す」ようにすることで、周囲も安心して協力しやすくなります。継続的な予算の確保や全社的な支援体制の整備に繋げられ、成果を大きく育てることができます。
成果の早期達成を実現するのが「Webマーケティングに取り組むために必要なノウハウや人的リソースを一箇所で調達できる」という包括支援型ならではの特長です。
他のタイプは最終的な成果にたどり着くまでに複数業者での連携を必要としたり、さらにそれらの全体を依頼側でマネジメントしたりしなければならないなどの事情がどうしても発生します。そのため担当者にも事務管理の負担が増してしまい、「最初の成果」を出すまでの道のりが険しくなってしまいがちなのです。
この章では包括支援型の「必要なものを一箇所で調達できる」という特長がなぜBtoBマーケティングにおいて最も早く成果を生み出していけるのかについて、3つの観点から深掘りしていきます。
- チーム体制をすぐに立ち上げられるから
- チーム一丸となって「成果の最大化」に取り組めるから
- 契約管理などが一本化され、事務作業の負担が軽くなるから
2-1. チーム体制をすぐに立ち上げられるから
Webに限った話ではありませんが、営業活動というのは「企画」として頭の中で考えているだけではダメで、それを「実践・実行」することで成果(売上の拡大)として実現させていかなければなりません。そして「実践・実行」においてもさまざまな分野での専門的な知見やノウハウが求められ、さらに彼らを「相互に連携させる・チームとして機能させる」ことが必要になります。
▼Webマーケティングの実践に必要な基本的なノウハウ・スキルの例
- サイト制作
- コンテンツ制作/企画・ライティング
- アクセス解析
- SEO
- UI/UX
- ツール選定
- ベンダー管理
- 広告運用
- プロジェクトマネジメント
- などなど
しかしこれから取り組もうという会社の場合、「専門家を集める」「彼らをチームとして連携させ、機能させる」はかなり高いハードルです。
▼事業会社にとって「マーケティングチームの編成」が難しい理由
- △「これから始める」ので、社内に専門家はいない
- △内部で人員を育てるには時間がかかり、独学となって効率が悪い
- △外部業者を集めるとしても、分野ごとにそれぞれ適切な業者をその都度選ばなければならない
「包括支援」型の場合、Webマーケティングに関して企画から実践まで一通りのことを行える人員がすでに支援会社の中に揃っており、その中から状況に適したスペシャリストが選ばれて支援に参加してくれます。クライアントはそうした人的資源を活用し、すぐに本格的な活動を始めることができます。
2-2. チーム一丸となって「成果の最大化」に取り組めるから
必要な能力を持ったメンバーが揃ったとしても、人が集まっただけでは「チーム」となりえません。それぞれのスキルを上手く組み合わせて連携させ、「成果の最大化」にエネルギーを集中させられるようにすることが重要です。
包括支援型の場合、支援チームを編成する段階で状況に応じたスペシャリストが選出されているだけでなく、彼らを取りまとめるチームリーダー(=全体ディレクター)もその中に含まれています(※)。
チームのマネジメントや個々の施策や取り組みへのディレクションは全体ディレクターが引き受けてくれるため、クライアント側のマーケティング担当者としては「いかにしてマーケティングの領域で成果をだすか/売上を伸ばすか」あるいは「自社内でそれを実現する環境をいかにして整備していくか」といった自らのミッションに集中できるようになります。
※より正確には「担当する全体ディレクターがまず決まり、ディレクターの手によって適切なチームが編成される」という順番が一般的です。
またマーケティングチームを複数の業者で構成するとなると、どうしても業者間で施策細部のすり合わせであったり、利害の調整だったりが発注者の側で必要になってきてしまいます。この調整が上手くいかないと次のようなトラブルに繋がる恐れがあります、
▼複数業者でマーケティングを行う時に起こりがちな問題
- △戦略側の意図とは異なる形で施策が実行されてしまう
- △個々の施策がお互いの効果を打ち消し合う形で実施されてしまう
包括支援型なら元の会社的にも「チーム」として動くため意思疎通がスムーズであり、メンバーそれぞれがWebマーケティングやクライアントのビジネスに対して共通の認識をもっての活動となるので、一貫した取り組みを行えます。
全員が「同じ会社のメンバーとしてクライアントの成果に取り組む」という姿勢での参加となるので「それぞれの業者に気を使った調整」などがそもそも発生しませんし、特に専門性の高い領域において別の専門業者への依頼が必要となる場合でも、ディレクターが窓口となって管理するため全体の統制を保つことができるのです。
2-3. 契約管理などが一本化され、事務作業の負担が軽くなるから
見過ごされてしまいがちな観点ですが、「契約管理などを一本化できる・軽減できる」というのも担当者にとっては大きなポイントです。
複数の外注業者を使い分ける場合、当然業者ごとに契約の交渉・発注の事務処理が必要となります。そうした事務作業が定期的に発生することはマーケティング担当者の業務を圧迫し、本来の「いかにしてマーケティングの領域で成果をだすか/売上を伸ばすかを考える」にしっかり取り組むことを難しくしてしまいます。
また契約関係が複雑になると、いざという時の対応の迅速性も損ねます。「今すぐこれをしたい!」となっても、「今の契約には含まれていないから対応できない」「それをするには他の業者との調整が必要だから独断ではできない」などとなって時機を逃してしまう、というケースです。
その点、包括支援型なら「基本の契約先は1社だけ」であり、契約形態も「(細かい作業内容を規定するのではなく)目的志向の包括的な支援」「月額支払の自動更新」となるため、契約・発注が非常にシンプルになります。
前節で触れたチームマネジメントの観点も含めて「外注管理で手一杯で『施策を回すだけ』になってしまう」というのは、社内に体制を持たない「一人マーケター」が陥りやすい落とし穴の一つですが、包括型の支援会社をパートナーとすることでその問題を回避することができます。
3. 包括支援型のBtoB向けマーケティング支援企業おすすめ6選
ここまで他のタイプとの比較として「包括支援型」とまとめて表現してきましたが、一社一社のサービス内容にはそれぞれ違いがあります。
ここでは「包括支援型」を打ち出しているマーケティング支援会社の中から代表的な6社を集め、そのサービス内容の特徴をまとめました。
ぜひ自社に適した支援会社を探す参考にしてください。
▼包括型BtoBマーケティング支援会社・主要6社の一覧
会社名 | 一言コメント |
アジタス | チームの立ち上げから内製化まで支援 |
才流 | 情報発信に積極的・新規事業支援の知見が豊富 |
リーディング・ソリューション | 一括でのアウトソーシングが可能 |
タービン・インタラクティブ | CRM・MAツール「ハブスポット」活用に強み |
イノーバ | コンテンツマーケティングに強み |
イントリックス | システム基盤の整備やグローバル対応に強み |
3-1. アジタス:「マーケティングチーム外部化プラン」でいますぐ始められる
https://btob-marketing.azitas.co.jp/
アジタスの「マーケティングチーム外部化プラン」は、この記事で紹介してきた包括支援型支援会社の良さをまさに代表するようなサービスです。必要な幅広い人材を社内に揃えクライアントごとに「専属チーム」として提供してくれるため、社内になんの準備ができていなくてもすぐに本格的なWebマーケティング戦略の検討と施策の実践を行えます。
会社としての設立は2009年ですが前身会社からは20年以上の業歴を持ち、幅広い業種・業態のお客様に3000件以上のマーケティング支援を提供しています。
またアジタスは「営業との連携体制の強化」や「マーケティング業務の内製化支援」にも力を入れているのが特徴です。単に外付けのマーケティングチームを提供するだけでなく、Webの活動を社内の営業チームの活動と連携させて売上増につながるワークフローを確立させたり、マーケティング担当者に対して研修やOJTを通じてノウハウを移譲し数年以内に自走して動けるようにしたりといったところまで支援の範囲に含めています。
今後全社の戦略としてWebマーケティング領域の強化を目指す覚悟があるのならば、当初の手厚い支援から将来的な内製化支援・自走支援までノウハウがあるアジタスは有力な候補となるはずです。
3-2. 才流:「新規事業の支援」向けのソリューションを持つ
情報発信も精力的に行っており、BtoBの営業・マーケティング支援では第一人者といっても良いポジションの才流ですが、厳密には「包括支援型」の定義には当てはまりません。社内のほとんどは「マーケティング・コンサルタント」であり、施策の実行を外部パートナーに委託する方式を取っているからです。
しかし才流はあくまで「戦略立案から施策実行までの一気通貫の支援」として信頼できる相手を支援のパートナーとして選んでいるため、実際のサービス提供は包括支援型に近い体制となっています。
また才流は「新規事業に特化したBtoBマーケティング支援」というサービスも展開しています。Webマーケティングは準備~実行~結果検証というサイクルを早く回すことができ、新しい事業やサービスの将来性を早期に見極めたり、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)を高める改善を行ったりといったことに適してます。
もしWebマーケティング戦略に「既存商材の売上増加」だけでなく「新規事業・新サービスの展開」も求めているのであれば、才流に相談してみるのも良いのではないでしょうか。
3-3. リーディング・ソリューション:「KPO」として必要業務を一括で請け負う
https://www.leading-solutions.co.jp/
リーディング・ソリューションは自社の支援スタイルを「KPO=ナレッジ・プロセス・アウトソーシング」だと説明しています。”戦略から戦術・施策への落とし込み、分析・改善・効果測定・レポーティングまで、一連のプロセスを全てアウトソーシングでお請けすることで、短期間で高度なデジタルマーケティング活動を実現することが可能”になるという方式です。
最初から一括で引き受けてもらえるため、動き出しを特に早くできることが期待できます。またワンストップ化により社内のマーケティング担当者の負担も軽減できます。
ただし、企業にとっての「マーケティング」は本来的に全社活動であり、営業マーケ部門やカスタマーサポート部門だけでなく、生産部門や管理部門まで含めて一体となって取り組むべきものです。「アウトソーシング」というスタイルは時間をお金で買える大きなメリットがありますが、やはり将来的には自立・自走できる社内体制作りを考慮して長期戦略を考えるのが良いでしょう。
3-4. タービン・インタラクティブ:CRM・MAツールを軸としたソリューションに強み
タービン・インタラクティブはマーケティング支援の中でも、CRM・MAツール「ハブスポット」を軸としたソリューションを得意としています。
営業マーケティング体制の効率化にあたっては「見込み客情報・既存顧客情報管理の一元化とデータの活用」が一つのキーポイントとなります。それを支えるシステムがCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)あるいはMA(マーケティング・オートメーション)と呼ばれるツールです。
「ハブスポット」はCRM・MAツールの中でも代表的なものの一つであり、国内外で多くの企業に採用されています。ハブスポットの利用を中核として、見込み客の獲得チャネルとなるサイトの整備から接触後の営業活動の型化まで行うのがタービン・インタラクティブのメソッドとなります。
ハブスポットは優れたツールですが、どんなツールでもビジネスの特徴や組織の状況によって合う・合わないがあります。特定ツールの導入ありきで支援会社を選ぶべきではありませんが、条件がマッチするのならば強力なWebマーケティング体制の構築につながるでしょう。
3-5. イノーバ:「コンテンツマーケティング」を得意とする
イノーバは「BtoB企業向け伴走型マーケティング支援サービス」として包括型支援を提供していますが、特にオウンドメディア施策・コンテンツマーケティング施策を重視しています。
「Webでのマーケティング」の大きな強みの一つが、インターネットにアクセス可能な場所であれば見込み客がどこにいても接触可能になるという「商圏突破」の力です。Webにおいて見込み客との最も主要な接点になるのが自社サイトであり、中でも積極的な情報発信で幅広く接点を最大化するオウンドメディアは多くの企業にとって重要な施策オプションとなります。
イノーバは記事コンテンツの制作支援に多くの実績があるので、Webマーケティングの中でもまずコンテンツを強化したいと考えているなら選択肢に入ってくるでしょう。しかしコンテンツマーケティング/オウンドメディアは数多くあるアプローチの一つにすぎず、合わない会社もあります。「コンテンツマーケティングありき」で考えすぎないように注意しましょう。
3-6. イントリックス:システム基盤の整備やグローバル対応に特長
イントリックスもBtoB企業の包括支援を行う企業ですが、「デジタルマーケティングの総合支援」のキャッチコピー通り、その重心は「Webサイト群の統合」や「マーケティングシステム基盤の構築」などの技術面・システム面に置かれてます。
特に「グローバルWebサイト群再構築」は他にない特徴と言えます。Webマーケティングの強みの一つに「商圏突破=地理的な制約に囚われずにビジネスを拡大できる」というものがあります。
そうは言っても国境をまたいでしまうと文化や商習慣なども異なり、各国ごとにサイトの運用もバラバラになってしまいがちです。規模が大きくなるほどこのような不統一は運用上のコストやリスクとなるため、効率よく成果を追究していくためには共通の指針を確立する必要があります。
サービス名に「再構築」と含まれているように、イントリックスの支援はどちらかというと「すでにWebマーケティングを行っている」「けれども上手く行っていない・見直したい」という企業向けのテイストが強いです。「これから始める・ゼロから始める」という場合には必ずしもマッチしないかもしれません。しかし「今後の拡大に向けた戦略提案」も同様に得意としているため、拡大志向の強い企業であれば検討の価値はあるでしょう。
4. さいごに:支援会社選びは自社の課題や目的に合わせることが大事
BtoBの事業においてもWebマーケティング領域への対応・強化は必須となっており、それに伴って多くの会社が「BtoBマーケティング支援」の看板を掲げるようになっています。
しかし本文でも説明したようにその実態は様々です。大きな分類として「コンサルのみ型」「制作メイン型」「包括支援型」の3タイプを消化しましたが、これも必ずしも明確に分けられるわけではなく、会社ごとにいろいろな個性をもっています。最終的には自社の現状や支援会社ごとの特長を理解し、課題や目的に合致したパートナーを自分たちで選ばなくてはなりません。
「いままでの付き合いがあるから」「見積もり価格が一番安かったから」という理由で短絡的に選んでしまうのではなく、会社の将来を左右しうる重要な問題としてよく考えて選ぶようにしましょう。
このようにハードルを上げられてしまうと「自分ではとても適切な支援会社を選べそうもない」と思ってしまう人もいるかも知れません。そうした場合は「支援会社を選ぶためのアドバイスを専門家に求める」ことも選択肢にいれると良いでしょう。
会社によってはスポット型(単発型)のコンサルティングをサービスとして行っているところがあり、弊社アジタスでも「Webマーケセカンドオピニオン」という名称で同様のサービスをみなさまにご提供しています。一回数万円から承っておりますので、BtoB事業のマーケティング強化に悩みや不安があればぜひお気軽にお問い合わせください。