「BtoBマーケティングを勉強したいけれど、どの本から読むべきか分からない」とお悩みではないでしょうか。
BtoB事業を営む方にとって、売上を伸ばすためにいまや必須の取り組みといえるのがBtoBマーケティングです。そのBtoBマーケティングを体系的に、または1つのテーマで深く掘り下げている数々の書籍は、知識を一から習得する上でも、実務においても役に立ちます。しかし、BtoCも含めるとマーケティング関係の書籍は多くあり、どの書籍が効果的な内容なのか、何からどういった順番で読めば良いのか判断できないという方も多いでしょう。
私自身も入社直後、どの本を読めば良いのか分からずに悩んでいました。そこで弊社の先輩マーケターや営業社員に相談してみたところ、先輩が実際に読んで「ためになった」と感じた本をいくつも紹介いただきました。紹介いただいた本によって難度には差がありましたが、Webで検索してもなかなか見つけられないような角度のお話も多く、BtoBマーケティングについて多角的な視点から学びを深めることができました。
本記事では、薦められた多数のマーケティング関連書籍の中から、私自身が特に参考になると感じた「BtoBマーケティングの初心者に読んでほしい書籍」を8冊ピックアップしました。また、担当する業務や知識レベルに応じて、読破を推奨する順に並べました。本記事を参考にしていただくことで、どの書籍を手に取るかに迷うことなく、効率的に知識を習得する手助けになれば幸いです。
目次
1.【初級編】BtoBマーケティングの基礎を学ぶ3冊
本章では、「BtoBマーケティングを初めて本格的に学ぶ」「過去に経験はあるが10年以上ブランクがある」など、初心者・歴の浅い方・最新のBtoBマーケティングを知らない方の学び直し向けの書籍を紹介します。BtoBマーケティングの基礎を学びたい方は参考にしてみてください。
1.1.【概論】事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践
タイトル | 事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践 法人顧客を続々獲得!プロが教える実用ノウハウ |
著者 | 栗原康太 |
著者プロフィール | 2011年に入社したIT系上場企業でBtoBマーケティング支援事業を手掛け、2016年に株式会社才流を設立、代表取締役を務める。BtoBマーケティングの支援や業界誌への執筆など多数の実績がある。 |
出版社 | すばる舎 |
出版年 | 2020年 |
頁数 | 208ページ |
通販リンク | Amazon・楽天ブックス・honto |
本書は、BtoBマーケティング初心者であればぜひ読んでおきたい一冊です。BtoBマーケティングを成功させるための核となる理論に焦点を当てており、BtoBマーケティングに臨む基本的な考えを1から学べます。背景を伝えながら考え方・取り組み方を提示してくれるため、理解を深めやすいでしょう。
また、「BtoBマーケティングには正しい型(メソッド)があり、その型を知っているかどうかで大きく差が出る」「顧客をCV(コンバージョン)に導くための設計に飛躍がないようにする」など、実務経験がある方にとっても気づきになる重要なポイントが示されています。
▼本の内容
- 第1章 なぜ、BtoBマーケティングが重要になっているのか
- 第2章 BtoBマーケティングの特徴
- 第3章 マーケティング投資の前にLTVを強化する
- 第4章 よい商談を生むためによい階段を設計する
- 第5章 BtoBマーケティングプロジェクトの進め方
- 第6章 ケーススタディ1 リード数が足りない
- 第7章 ケーススタディ2 リード数が200件で頭打ちに
- 第8章 ケーススタディ3 MAツールを導入したが、活用できていない
- 第9章 ケーススタディ4 リード数や商談数は増えているが、受注につながらない
- 第10章 ケーススタディ5 新しいサービスなので積極的に探している人がいない
- 第11章 ケーススタディ6 顧客がWebを使って情報収集していない
- 第12章 ケーススタディ7 競合の参入でCPAが高騰し、受注率も低下
- 第13章 ケーススタディ8 営業主体の会社なので、マーケの文化がない
- 第14章 ケーススタディ9 コンテンツマーケティングに投資したいが、どこから手をつければいいかわからない
- 第15章 ケーススタディ10 競合がたくさん存在する成熟業界で成長する
- 第16章 ケーススタディ11 モノはよいが、知られていない
前半は、BtoBマーケティングに取り組むにあたって知っておくべき考え方を図解しながら分かりやすく説明しています。後半では、11もの豊富な事例によって、BtoBマーケティングにおいて発生しがちな課題や、その解決のために実際にどのような取り組みが行われたかを知ることができます。
- BtoBマーケティングとは何か、その重要性
- BtoBマーケティングで成果を出す核となる考え方
- 実務に生かせるBtoBマーケティングのケース別事例
1.2【概論】現場のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識
タイトル | 現場のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識 |
著者 | 飯髙 悠太, 枌谷 力, 相原 ゆうき, 秋山 勝, 安藤 健作, 今井 晶也, 岸 穂太佳, 戸栗 頌平, 室谷 良平, 日比谷 尚武 |
著者プロフィール | BtoB マーケティング、Webマーケティングに知見を持つ10名。 |
出版社 | マイナビ出版 |
出版年 | 2022年 |
頁数 | 352ページ |
通販リンク | Amazon・楽天ブックス・honto |
本書は、BtoBマーケティングの手法を体系的に把握できる教科書的な一冊です。一通り目を通すことで、「BtoBマーケティングを実践する場合、どんな工程を経るのか?実際に何をする必要があるのか?」という、マーケティングプロセスの全体像を把握できます。また、各プロセスで実施する個別の施策(手法)も網羅的に知ることができます。
画像や図表が多く使われており文字ばかりではありませんが、広範囲をカバーしているため情報量が多く、慣れないうちに全てを理解しようとするのは大変かもしれません。最初は全体像を掴む、または手法を把握するために読み、必要なときに該当の箇所を読み返すといった使い方をすると良いでしょう。
▼本の内容
- 1章 BtoBビジネスの基本を知る
- 2章 BtoBの顧客獲得戦略を考える
- 3章 施策を細やかに実行する
1章・2章も充実していますが比率としては3章のボリュームが圧倒的に多く、BtoBマーケティング11の施策の基本や考え方、実践の注意点、利用できるツールなどについてページを割いて記述されています。
- BtoBマーケティングの基本的なプロセス・全体像
- BtoBマーケティングの代表的な手法と活用方法
1.3【WEB】いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本 第2版
タイトル | いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本 第2版 人気講師が教えるコミュニケーションと販促の新しい基礎 |
著者 | 田村 修 |
著者プロフィール | 株式会社第一広告社(現株式会社I&S BBDO)で営業を経験し、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社、株式会社アイレップなどにおいて、インターネット広告の開発・営業・メディアプランニングを推進。現在は株式会社5(ファイブ)執行役員や、大学の講師を務める。 |
出版社 | インプレス |
出版年 | 2021年 |
頁数 | 216ページ |
通販リンク | Amazon・楽天ブックス・honto |
本書は、デジタルマーケティングで中心的な役割を持つオウンドメディア・Web広告・SNSの3つをどう運用すべきかの考え方を分かりやすく解説した一冊です。
BtoCマーケティングを中心に書かれており、特にSNSなどの項目については、BtoBマーケティングとは考え方が異なる部分もあります。しかし、各手法の特徴、役割、取り組みの手順、運用のコツなどが整理されている点は、BtoBの視点からも役に立ちます。
「いちばんやさしい」とタイトルにある通り、初心者を想定した内容であり、デジタル化が進む社会の説明や、マーケティング用語の解説も含まれた内容です。デジタルマーケティングの概要を最初に学ぶ一冊として入りやすいため、先に紹介した2冊の補足的に読むと良いでしょう。
▼本の内容
- Chapter 1 デジタルとマーケティングの関係を整理しよう
- Chapter 2 オウンドメディアを正しく運営しよう
- Chapter 3 ブランド訴求や販促までネット広告を広く活用しよう
- Chapter 4 ソーシャルメディアで消費者に正しく向き合おう
- Chapter 5 購入に至るまでの消費行動について学ぼう
- Chapter 6 トータルなデジタルプランニングに向けて
チャプター1ではデジタルシフトが進む社会におけるマーケティングについて、チャプター2~4ではオウンドメディア、ネット広告、ソーシャルメディアの運用について整理されています。チャプター5では消費者の購買行動における心理や判断プロセスが、チャプター6では施策をプランニングするためのヒントが書かれています。
- デジタル化が進んだ現代の施策と従来の施策の違い
- (BtoC中心に)オウンドメディア、Web広告、SNSの運用の考え方
2.【中級編】既存の営業モデルを強化・変革する実践的な2冊
本章では、「1章の基礎について学び終えた」「元々基礎は知っているためもう少し踏み込んだ内容を知りたい」という方向けの書籍を紹介します。
2.1【組織】THE MODEL
タイトル | THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス |
著者 | 福田 康隆 |
著者プロフィール | 日本オラクル、米オラクル、セールスフォース・ドットコムと経験を重ね、2014年にはマルケト・ジャパン代表取締役社長に就任。その後はアドビ システムズ専務執行役員 マルケト事業統括を務め、2020年にジャパン・クラウド・コンサルティング株式会社の代表取締役社長に就任。 |
出版社 | 翔泳社 |
出版年 | 2019年 |
頁数 | 328ページ |
通販リンク | Amazon・楽天ブックス・honto |
本書は、「THE MODEL」の基本的な考え方を紹介しつつ、BtoBマーケティング・営業における共業体制づくりの重要性を説き、そのための具体的な手法を掘り下げた一冊です。
タイトルになっている「THE MODEL」とは、セールスフォース・ドットコムという企業が提唱している営業プロセスを指します。端的にいえば、かつては営業部門のみが担ってきた営業プロセスを切り分け、複数の部門で役割別に分業し、かつ個々の部門の連携によって優れた営業体制を実現しようとする考え方です。
本書では、筆者が提唱するモデルに基づき、「マーケティング」「インサイドセールス」「営業」「カスタマーサクセス」といった各部門の役割が明確化されています。各部門で成果指標をどのように捉えるべきか、マネジメントの立場での見方にも触れられているため、新しい営業体制を構築するにあたって重要なポイントを押さえることができるでしょう。
▼本の内容
- 第1部 アメリカで見た新しい営業のスタイル
- 第2部 分業から共業へ
- 第3部 プロセス
- 第4部 3つの基本戦略
- 第5部 人材・組織・リーダーシップ
1部は著者自身の過去の経歴と、アメリカで出会った営業モデルについて。2部では、BtoBビジネスの現状の理解から、営業が分業体制のみならず共業体制であるべき理由、著者が提唱するレベニューモデルを解説しています。3部では売上拡大のために必要なプロセスにおける「マーケティング」「インサイドセールス」「営業」「カスタマーサクセス」の4つの役割が詳細に語られ、4部・5部は経営戦略や組織・人材・マネジメントと管理職向けの内容になっています。
- 営業活動を最大限に効率化する「THE MODEL」の考え方
- 各部門の役割や、共業を実現するために整備すべきこと
- 管理職視点での組織づくりのコツ
2.2【WEB】ウェブ営業力 御社の営業力が躍進する75の処方箋
タイトル | ウェブ営業力 御社の営業力が躍進する75の処方箋 |
著者 | 渥美 英紀 |
著者プロフィール | 株式会社ウィット代表取締役。BtoB業界の売上向上や営業改善など250以上のプロジェクトを担当し、成果を上げてきた経験を持つ。 |
出版社 | 翔泳社 |
出版年 | 2009年 |
頁数 | 176ページ |
通販リンク | Amazon・楽天ブックス・honto |
本書は、「ウェブサイトが売上を生む力」=「ウェブ営業力」として、自社サイト経由で売上を伸ばしたいBtoB企業が何をどのように検討すべきか、考え方やノウハウを学べる一冊です。
Webサイトのリニューアルを行っただけでは、売上は上がりません。自社サイトにユーザーを集め、問い合わせを獲得し、営業に引き継ぐ工程が必要になります。つまり、ユーザーをひきつける「集客の手段」と「コンテンツ」、そして「営業との連携」が重要ということです。本書ではこれらの項目が全75の事例/ノウハウとして紹介されており、各章の最後にはまとめのチェックボックスが用意されているため、分かりやすく要点を掴むことができます。
「マーケティング」を深く語るマーケター目線の書籍と比べると、営業的な視点から記述されている箇所が多く、専門用語も理解しやすいように言い換えられています。マーケティングに詳しくない営業畑の方にも取っつきやすい内容といえるでしょう。
本記事で紹介している書籍の中では最も出版年が古く、2009年と10年以上前です。しかし、弊社では長らく定番とされていた一冊で、「営業連携ノウハウ10」は現在でも十分に役立つ内容です。
▼本の内容
- 序章 ウェブ営業力とは何か
- 第1章 ウェブ営業力の課題がつかめる5つの質問
- 第2章 ウェブ営業力活性化のプロセス
- 第3章 コンテンツ/営業フック55の事例
- 第4章 集客ノウハウ 10
- 第5章 営業連携ノウハウ
- 第6章 ウェブ営業力改善の実践メソッド
1~2章で、ありがちなウェブ営業力における課題、Webサイトが売上を生むために必要なプロセスが語られます。3~5章でプロセス別に75の事例やノウハウが、6章でウェブ営業の設計図を作るポイントがまとめられています。
- 自社サイトで売上を伸ばすための基本的な考え方
- 自社サイトに掲載するコンテンツ(営業フック)の事例
- 営業連携と集客のノウハウ
3.【応用編】BtoBマーケティング発展のため管理職に薦める2冊
BtoBマーケティングの基本的な考え方や実践方法を習得しても、それだけで成果を上げられるとは限りません。そこで、細かいマーケティング手法とは別の角度から、「BtoBマーケティングで成果を出すために必要な視点」を学べる2冊を紹介します。特に管理職の方におすすめしますが、管理職以外の方も一読して損のない内容です。ぜひ手にとってみてください。
3.1【営業】隠れたキーマンを探せ!
タイトル | 隠れたキーマンを探せ! データが解明した 最新B2B営業法 |
著者 | マシュー・ディクソン, ブレント・アダムソン, ニック・トーマン, パット・スペナー, 神田 昌典, リブ・コンサルティング |
著者プロフィール | マシュー・ディクソン氏、ブレント・アダムソン氏はそれぞれCEBのエグゼクティブ・ディレクターとマネージング・ディレクターを務める。 共著/監修の神田昌典氏は、経営コンサルタント・作家・国際的マーケターの顔を持ち、多数の実用書の出版実績がある。現在はアルマ・クリエイション株式会社の代表取締役。 |
出版社 | 実業之日本社 |
出版年 | 2018年 |
頁数 | 416ページ |
通販リンク | Amazon・楽天ブックス・honto |
本書は、CEB(データ分析やリサーチを行っている米国企業)の調査結果をもとに、BtoBマーケティングの従来の定説を覆し、BtoB営業の新しいアプローチを提唱する一冊です。
購買プロセスが複雑化し、意思決定に関わる人数が増えた現代のBtoBビジネスでは、「決裁権を持つ上司に接触を図る」「顧客の役に立つコンテンツを量産する」といった従来の方法ではうまくいかないといいます。BtoBビジネスの問題点は製品・サービスをうまく売れないことではなく、顧客がうまく買えないことにあり、多くの顧客は、購買を検討する関係者の間で合意を取れていないというのです。そのため、意思決定を行う関係者の中から製品・サービス導入を推進してくれるモビライザーを見極め、集団で合意を取れるよう働きかけなければならないとしています。
本書は、モビライザーをいかにして見つけるか、またどうやって集団が合意を取れるように働きかけるか、その方法を丁寧に解説しています。データに基づいた実践的な書籍であるため、営業職の方、BtoBマーケティングをある程度学んだ方、役職者の方にはぜひ目を通してもらいたい一冊です。
▼本の内容
- 第1章 顧客とのコンセンサスの「暗部」
- 第2章 モビライザー
- 第3章 「忘れさせること」の効能
- 第4章 コマーシャルインサイトの構築
- 第5章 コマーシャルインサイトの活用
- 第6章 モビライザーへの「指導」
- 第7章 二種類の「適応」
- 第8章 コンセンサス創造の「支配」
- 第9章 集団的学習(コレクティブラーニング)の実践
- 第10章 チャレンジャー・コマーシャル・モデルへの移行
最初にBtoB企業が抱える課題、顧客が合意を取れずに購買が進まない現状についてが語られ、2章以降でモビライザーの詳細とモビライザーを動かすコマーシャルインサイト、その構築と活用法について語られます。さらに、モビライザーをどう見極めるか、特定したモビライザーから集団コンセンサスを獲得するためのコレクティブラーニングの実践法が解説されています。
- BtoBビジネスの現状やサプライヤーが抱える課題
- キーパーソンとなるモビライザーの特定方法
- 集団コンセンサスを得られるようにするための手順
3.2【組織】マーケティングとは「組織革命」である。
タイトル | マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド |
著者 | 森岡 毅 |
著者プロフィール | 現在は創設したマーケティング会社「株式会社刀」の代表取締役CEO。過去にはP&Gで経験を重ね、2012年にはUSJのCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)、執行役員、マーケティング本部長を務めUSJの再建を行った。多数の著書やメディア出演実績がある。 |
出版社 | 日経BP |
出版年 | 2018年 |
頁数 | 352ページ |
通販リンク | Amazon・楽天ブックス・honto |
本書は、マーケティングにおける組織づくりの重要性を説き、管理職のみならず一社員の立場から「どう組織を変えていくのか」の心得を解説した一冊です。
マーケティング部門がプロダクト部門と密に連携できていなかったり、組織内でコミュニケーション不全が起こったりと、マーケティングの遂行にはさまざまな課題が伴います。この書籍では、マーケティングの成功には人体のごとく連携した組織が必要であることや、人間は「自己保存」の本能ゆえに変化を嫌うため、組織変革の実現に向けて人の意識を動かすシステムづくりをどうすべきかについて解説しています。「どんな組織であるべきか」を説いている本であるため、マーケティング担当者が実施するような各施策の技術的な解説書ではありません。
また、本書は管理職が重視するマネジメントの側面のみならず、一社員が下から提案を通すための取り組みを「社内マーケティング」として解説している点もポイントです。提案を通したい立場の人がどのような考え方に基づいて動くべきかを学べるため、管理職以外にも、広範囲のビジネスパーソンにおすすめの内容になっています。
▼本の内容
- 【はじめに】一人でも会社に変化は起こせる!
- 【第一部】 組織に熱を込めろ! 〜「ヒト」の力を活かす組織づくりの本質〜
- 【第二部】 社内マーケティングのススメ 〜「下」から提案を通す魔法のスキル〜
- 【特別対談】 成功者の発想に学べ! 〜起点となって世の中を変えた先駆者たち〜
- 【終章】マーケティングの力で日本を元気に!
1部では、マーケティングの成功にはマーケティングを実行できる組織が必要であること、組織づくりの重要性やシステムの構築方法が語られます。2部では、ビジネスパーソンが自らの提案を上に通し企業を変革するためのコツについて綴られ、最後に著名人との対談記事が収録されています。
- マーケティングを成功させるための組織改革の重要性と考え方
- 「自分の提案を上に通す」ための社内マーケティングの手法
4.【番外編】日本のBtoBマーケティングの現状と課題を理解する1冊
最後に「日本企業のBtoBマーケティングの現状」について理解を深められ、自社の状況と照らして参考にできる一冊を紹介します。
4.1 BtoBマーケティング偏差値UP
タイトル | BtoBマーケティング偏差値UP |
著者 | 庭山 一郎 |
著者プロフィール | シンフォニーマーケティング株式会社を1990年に設立し代表取締役を務める。40年以上現場のマーケティング業務に従事。海外のBtoBマーケティングエージェンシーやツールベンダーとも交流があり、世界最先端のマーケティングを日本に紹介している。 |
出版社 | 日経BP |
出版年 | 2020年 |
頁数 | 240ページ |
通販リンク | Amazon・楽天ブックス・honto |
本書は、日本のBtoBマーケティングが遅れている現状を欧米諸国との比較から解説し、脱却のための戦略的思考について提案する一冊です。
日本企業が陥りがちなマーケティングに対する経営層の理解不足、営業社員の反発、ツールを導入しただけで終わってしまうなどの「あるある」を示し、日本でBtoBマーケティングが進まない背景や理由を解説しています。また、実情を把握した上で、企業全体にマーケティングの知見を広めて共通認識を持ち、「マーケティング偏差値を向上させなければならない」と力強く説いている内容です。
「日本企業のBtoBマーケティングは課題だらけである」とあらかじめ理解しておくことで、回避できる問題もあるでしょう。この本には、これからマーケティングに取り組んでいく上での教訓が示されています。BtoBマーケティングに直接携わる方はもちろん、組織を統括する経営層の方にも、自社の状況と照らし合わせつつ一読をおすすめしたい本です。
▼本の内容
- 第1章 BtoBマーケティング、日本の通信簿
- 第2章 日本企業の実情
- 第3章 日本が遅れた理由、追い付けない要因
- 第4章 世界に追い付く戦略的思考
- 第5章 マーケティング偏差値を上げる
- 第6章 コト売りとデマンドセンター
- 第7章 その先のアラインメントへ
1章~2章は日本企業のBtoBマーケティングの現状を複数例にあげ、課題の内容を示しています。3章は日本が世界に後れを取っている背景に何があったのかを語り、4章はマーケティングに必須となる戦略・戦術の考え方を実際の戦争を例に解説します。5章は社内で共通認識として持っておくべきフレームワークについて、6章はマーケティング担当者向けに「デマンドセンター」とは何かを解説。7章では、日本企業が到達すべき姿を示しています。
- 日本企業のBtoBマーケティングの実情やその背景
- BtoBマーケティングに必須である戦略・戦術についての考え方
- 「モノ売り」から「コト売り」に変換する意図とデマンドセンターの仕組み
まとめ
BtoBマーケティング初心者におすすめの本を8冊ご紹介しました。
本を読んで知識を得ることは大切ですが、本の内容を実践に移してみて初めて分かることも多くあります。本記事の8冊を通してBtoBマーケティングの全体像を掴めたら、ぜひそこから具体的な行動に落とし込んで、学んだ内容を活用してください。
また、BtoBマーケティングの世界は奥深く、日々新しい書籍が出版されています。今回紹介した書籍はほんの一部に過ぎません。学んだことを実践してみた結果、「もっと知りたい」と思うマーケティングの関連用語が見つかれば、その知りたいと感じた用語にフォーカスした次の一冊を手に取って、深度のある知識を増やしていきましょう。